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失敗学のすすめ

「失敗学のすすめ」という本を読んだので、感想を。

この本はなぜかずっと家にあって(会社員の時に買ったんだったけかな)、途中まで読んだような記憶があるような無いような、という位だったので読んでみました。

著者について

著者の畑村洋太郎さんは東大名誉教授、工学博士の人で、元々は工学設計の失敗についての本を1996年に出していて、この本はその考え方の部分を工学だけではなく一般化してまとめ2000年に出版された本。

著者は実際、NPO法人「失敗学会」や「危険学プロジェクト」などを立ち上げて、日々起こる失敗に対してのみんなの考え方を変えていこうという活動をされている。

概要

失敗が起きた時に、どのように考えどのように生かすかということを体系的に説明してくれ、さらにその考え方を創造に結びつける思考方法なども書いてある。

  • 失敗原因の階層分類や分析の方法
  • 良い失敗は未知への遭遇だけ
  • 樹木構造の問題点
  • ハインリッヒの法則に基づく失敗事象への構え
  • 失敗情報の特徴(隠れたがる、変わりたがる、など)
  • 客観的失敗情報は役に立たなく、知識化して伝えていく事が大事だという事と、その記述方法
  • 全体の工程を知ることの大切さ
  • 失敗を想像につなげる思考方法
  • アイデアを創造へと昇華する時の思考方法(思考平面図など)
  • 現実的に失敗への考え方を変えるための方法の提言(失敗訓練、懲罰など)

感想

2000年に出版された本なので、失敗への考え方の部分では聞いた事のある部分が多かった。おそらく企業の不正や事故の隠蔽が一時期問題になった事で、コンプライアンスであるとか失敗を隠しておくと更に大変な事になるという意識が、この本が出版された当時よりは社会に浸透しているのだろうと感じた。

前に自分が企業に勤めていた時もヒヤリハット情報の共有などはシステム的に行われていた。

そのため「あー、そうだよな。つい失敗したくないと思っちゃうけど、失敗は起きるものだから起きた時にどう考え生かすかが大事だよなー。」とまず再確認ができた。

ただ、それだけではなくじゃあ実際に失敗情報をみんなが共有でき有効活用できるようにするにはどうしたら良いのか?という実用的なところまでの思考と方法が体系的に書いてあるのが有難い。

問題が起きると客観的な分析が必要だと思ってしまうが、実際役に立つのは当事者の主観的な証言である、というのは「なるほど確かに」となった。

部下をマネジメントする立場にいる人なんかは読んでみると、問題が起こった時の対処法の参考になるのではないでしょうか。

個人的に面白かったのは以下2点。

まず、著者の言う「偽ベテラン」問題のところ。

ダメ上司の典型例は、「そんなことをやってもうまくいかない」「自分も過去にやったけど、ムダだったからやめておいた方がいい」などと軽薄な失敗談を語って部下のやる気をそいでいる人です。(中略)

いわゆる偽ベテランに多いダメ上司が軽薄な失敗体験談を話す背景には、多くの場合、それまで慣れ親しんだ方法を変えられるのが面倒だという身勝手な感情があります。

ここは「あぁこういう人いるなー」ってのと「でも自分もこうなっちゃってる時あるんだろうなー」という両方の気持ちでザワつきました笑。

上司と部下のような関係に限らず、例えば友人の相談を聞いている時に、過去の自分の経験から深く考えもせずに答えを出してしまっている時があるような。。。

もちろん過去の経験から考える事は大事だけど、それだけに縛られない柔軟な客観的思考を維持できるようにしないといけないなと身が引き締まりました頑張ります。

もう1点は創造する時の仮想演習について書いてある部分。

作曲家はピアノを演奏しながらインスピレーションで曲を作っているのではなく、頭の中で作った脈絡をもう一度ピアノで確認作業しているだけだし、画家もいきなりキャンバスに描くんじゃなく、その前に何度も描き直しをしながら作り上げたイメージをなぞっているだけなんだ。

現に、あの天才ベートーベンは「第九」を完成させるのに30年を費やしているよ!

ってところ。

「天才ならこんな事すぐできるんだろうなぁ」という思考に陥りがちな私には希望となる言葉でした。

とりあえずやってみて修正、またやってみて修正。仮想演習をグリグリ繰り返していこうと思います。といっても尻の重い私なので、まずは今までの自分よりも、ブログでも筋トレでもなんでも何かをやるペースを早めていくことをここに誓い、、、ます。

なんか失敗学のメイン部分ではないところの感想になったけど、とりあえず失敗という誰にでも起こる事に関する本なので、誰が読んでも得るものはあると思います。

実際に起きた事故の筆者なりの分析や筆者の失敗の実体験も交えて説明してくれているため、本のタイトルから想像するよりはかなり読みやすかったです。

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