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島木健作 義に飢え渇く者

島木健作ってどんな人かなぁってなったので買った本。

正直この本を「自分で手に取って読みたい!」という人はあまりいないでしょう。

だからとりあえず、このブログを見ただけでも島木健作の事をなんとなく知ってもらえるよう、どんな人か簡単にまとめておきたい。という事でとりあえず、島木健作を描いてみました↓

私にはジブリに出てくるお父さんにしか見えない。

島木の言動は「怒り」ベース

これさえ知っていてもらえたらオッケーかな、というくらい島木の性格・行動を表すのに大事になってくるポイント。

島木は基本「怒り」ベースで行動する。そんなイライラする必要もないのにと思うが、そこが彼の真っ直ぐな誠実さ・真面目さと表裏一体なのです。ここでは一例を紹介したい。

例えば当時、世間がいろんな事に対して「朗らか」という言葉を使っていた。今で言う「可愛い」や「やばい」を多用している現象と同じである。それに対して、みなさんはどう思うでしょう?

なんとなく、(流行り言葉使いすぎだよなー)くらいは思うかもしれないが、そこまで自分事のように怒りがわく事もないでしょう。

しかし、島木は違う。彼はその使われ方に怒る。そして言う

真の朗らかさは、精神の深さや清らかさや透徹した感じと一緒でなければならない。そういうものが内にこもらず外に発して朗らかさという感じになるのだ。

と。「真の朗らかってなんだ?」ってちゃんと考えるところが島木らしい。すごく真面目。

まぁこれは小説の中に出てくる話なんだけど。こういうのが彼の視点なんです。他にも人類にキレたり、紙の使い方にキレたり、雑巾は真っ白でなければならなかったり。

そんなにいろんな事に怒ってたら生きるのが大変じゃないか?と思う。笑

あとこの島木の怒りの特徴は「正義」のために怒っていること。自分が何かをされたから怒る、のではなく、自分の理想、世界はこうあるべきだ、という考えがあり、そこから逸れている物事に対して怒りがわくんですね。

マルクス運動

だから、この「怒り」と時代が混ざり、島木はマルクス主義(社会主義・共産主義)に走るのです。そう、島木は一時期左翼運動家だったんです。

おそらくその時の島木は

資本主義の世の中では労働者が虐げられ、資産家など一部の人たちが利益を独占している!これは不平等だ!正義ではない!正すぞ!

となったのでしょう。

この真っ直ぐさが島木健作の人生を追っていて、なんとなく惹かれるところ。

時は1920年代後半、マルクス運動(社会主義・共産主義運動)が盛んに行われており、その活動は特に青年層が中心で、当時の学生の間ではマルクスの「資本論」とクロポトキンの「青年に訴ふ」をバイブルとした勧誘活動で、多くの学生が参加したという。

当時東北帝国大学の学生だった島木もその一人でした。

彼は入学後1年ほどで勉強を捨て、香川へ行きを活動をはじめ、後に共産党にも入ります。ここでは他の運動家の中でも、特に突っ走った活動をしていた。なぜか?真面目に誠実に正義のためにキレているからです。

そして最後は検挙・収監。捕まってしまいます。

転向

この逮捕されたのが1928年25歳の時で、島木はまだ作家ではありません。この転向をきっかけに作家になります。ここでいう「転向」とは、マルクス運動をやめる事を意味します。

そう、島木は正義のために行っていたマルクス運動をやめたのです。なぜあれほど傾倒した活動をやめたのか、その理由は「共産党幹部が待合遊興をしていたから」。

待合遊興とはお金を払って女性と遊ぶこと。今で言うキャバクラなどなどで遊んでいたといったところでしょう。

島木にとってマルクス運動は倫理観からくる「正義」のための活動であり、その組織も倫理的に誠実でなければならなかった。なのに欲まる出しの女遊びに走った組織なんてありえん!と言う事です。

結局裁判でマルクス運動をやめる転向宣言をするのですが、そこで島木は

「私は、共産党は、純潔、崇高な党と理解していたから、よろこんで入党した。こんな党であれば一時もいたくない。体が悪いから運動もやらない」

と吐き捨てるように言ったという。

「純潔」や「崇高」という言葉が出てくるところが切ないですね。本当純粋にマルクス主義を信じていたんだと思います。

そしてこの転向をきっかけに島木は作家となり、数々の小説を書いて行くのです。俗にいう「転向作家」というやつです。

激しい人生ですな。

まとめ

ということで、簡単に島木健作という作家はこんな人だという事を書いてみました。どうでしたでしょうか。

当時の時代の事なども書いてあるので、島木健作や昭和初期あたりに興味がある人なんかは面白く読めると思います。

島木健作に興味が湧いたら是非、短編小説集あたりから読んでみると読みやすいのではないでしょうか。

ちなみに、島木の怒りがすこーし垣間見れるのが、小説「赤蛙」。

島木健作が伊豆修善寺に静養に来た時の経験から書いた話で、冒頭で

戸が閉まってると部屋が暗いから本が読めん!だから戸を開けときたいけど、開けるとトイレ臭ぇニオイが入ってくる!

と旅館に怒ってます。

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