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きみはだれかのどうでもいい人

著 伊藤朱里

これはブクログで見つけた本。

これを見た時、前から気になっていた原田マハさんの「あなたは、誰かの大切な人」という本を思い出した。

”どうでもいい人”と”大切な人”。全く反対の意味のタイトル。

気になったので二冊とも買っちゃいました。

さて、この「きみはだれかのどうでもいい人」

まず、タイトルが辛辣。

でも確かにな。とも思う。

どうでもいいと言うのは憚られるけど、そう思ってしまうことがあるよなぁ。

そして自分もそう思われていたりするんだろうな。

そしてこの表紙。…怖い。

川端康成の「雪国」の駒子を彷彿とさせる。駒子の方がセクシーだけど。

本編はこんな感じ。(ネタバレあり)

この本は、県税事務所が舞台。

県税事務所職員のある一人の女性、須藤深雪に対する、同僚女性四人それぞれの視点を描いた作品。

この須藤さん。県税事務所にアルバイトに来て3ヶ月。

須藤さんは、第一章の中沢環から言わせると”だれに対しても腰が低く勤務態度も真面目だが、仕事自体は控えめに言ってもあまりできない”人。

その須藤さんが突然職場に来なくなってしまうのだが、

その前後の出来事が同僚四人の視点で語られる。

この四人、それぞれのキャラが強烈過ぎてなかなか共感できなかった。

でもそんな中でも自分こんなことあるなぁっていう

自分の中の残酷な部分というか、そういうのは四人それぞれの中に

感じる部分があって、読んでて苦しかった。

そういう自虐的な苦しさと、この須藤さんがシンプルに可哀想に思えて苦しくなった。

一番苦しくなったのは、いつも自販機でゆっくり悩みながら選んで購入していた、

クリームラムネ、バナナココア、イチゴオーレの意味が分かった時。

それぞれ人工甘味料たっぷりの青、黄、赤の色をした飲み物。

ただ単にひとつひとつの行動がゆっくりなだけで

どれにしようかな〜くらいの気持ちで選んでいるのかと思いきや、

その日の精神状態の度合いを表すサインだったことに第二章で出てくる同僚、染川さんが気付いた時だ。

須藤さんは心の病気を患い、精神内科の助言で周りに自分から信号を発した方がいいといわれ、飲み物の色で信号を発していたのだった。

私もその時に初めて気付いて読み返してみた。

青信号の時の須藤さんと赤信号の時の須藤さんを思うとなんだか切なくて苦しくなった。

私が新卒で就職した会社は、ほとんどが女性の販売職だったけど

それでもこんなドロドロはなかったと思っている私は

もしかしたらこの鈍感さで、

知らない間に誰かを傷つけてしまっていたのかもしれないと思った。

一時、鈍感力みたいなのが流行ったけど

鈍感なのも残酷。でも敏感過ぎてもしんどい。

あー考えたらしんどくなってきた。

こういう無駄な体力、精神力を消耗したくないから

そこから解放される生き方をしようとしているのかも。

なんでこんな複雑なことになってしまうんやろう。

なんでこんな風にしか人のことを見れなくなってしまうんやろう。

もっとシンプルに生きたい。

あなたは今どんな気持ちで働いていますか。

どんな気持ちで生きていますか。

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