読書会#10

読書会 at 楽寿園
@rakujyu_mishima

この日も好きな本を持ち寄った回。
8月だけど曇っていて風も吹いていたので、珍しく外でも快適にできました。

さて、今日も集まった本たちのご紹介です。


■きいろいゾウ / 西加奈子
お互いを大切にする愛情あふれる夫婦の話。やさしい世界観が好き。ただやさしいだけで終わらないのがいい。しんみりしたり切なくなったり、心臓がぎゅってなったり。
最初と最後のページに書かれている、「必要なもの。」がお気に入り。私の必要なものってなんだろう

■遙かなる水の音 / 村山由佳
亡き周(アマネ)の希望を叶える為に共にモロッコへ旅立つ4人。姉の緋紗子、同居人のジャン・クロード、幼馴染の浩介と結衣。色々な人の視点で物語が進んでいく。
何よりも旅の描写が好き。旅に出たくなる欲をすごくくすぐられる。

■シーソーモンスター / 伊坂幸太郎
シーソーモンスターとスピンモンスターの中編2本が収録。螺旋プロジェクト(※下記参照)のひとつ。元スパイの嫁と姑のバトルだったり、車にトラウマのある人が車で連れ回されたり、伊坂幸太郎らしいテーマのスピード感ある一冊。

■死にがいを求めて生きているの / 朝井リョウ
これも螺旋プロジェクトのひとつ。生産性ではかられる世の中。ここでの対立は「生きてるだけ」vs 生産性。生きているだけでは駄目なのか。『何者』にも通ずるようなゾワゾワした感覚を味わえる。

※螺旋プロジェクト…伊坂幸太郎の呼びかけで始まった、8作家による文芸競作企画。古代から未来までの歴史物語でルールが3つ定められている。詳しくは検索してみてください

■戸村飯店青春100連発 / 瀬尾まいこ
読後感◎!! 高校卒業後、東京に出て自分の進むべき道を捜す兄と、地元大阪でこれからの進路に迷う弟。 二つの街で、それぞれの未来と自分自身を見つめ直す戸村兄弟の一年間のあったかい青春物語。関西弁のトークが軽快でサクサク読める。

■扉の向こう側 / パトリシア・ハイスミス
海外作品好きの人におすすめしてもらった本。サスペンスの巨匠が書くだけあって、この作品はサスペンスではないものの、最後の展開には驚かされる。1980年頃のアメリカ、敬虔なキリスト教徒の父、その父と対立する兄、父の教えを受け兄を批判する弟。正義とは何か。価値観の押し付けは良くない。

■私の個人主義 / 夏目漱石
前出の『扉の向こう側』を読んで思い出した一冊。夏目漱石の講義をまとめたもの。この中でも”価値観を持つのはいいけど、人に押し付けるものではない”と言っていて、自分の経験も織り交ぜながら、個性の出し方やどう生きていったらいいかなどが語られている。

ご参加ありがとうございました🌿

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